印刷がデジタルの時代に入って、分かり難くなった物に《版代金》というものがあります。
オンデマンド印刷と言われるものとその他の印刷、オフセット印刷、活版印刷、シルク印刷などの従来の印刷は《刷版》というものが存在するかというところに大きな違いがあります。
《刷版》というのは、印刷する為のインクが乗るところです。
《刷版》は印刷の耐久性と精度を支えているところです。
しかし、印刷において《刷版》は1色に1つ必要となりますから、多色印刷、カラー印刷に於いてはこの《刷版》の経済的負担はとりわけ重いものとなります。
デジタル時代の印刷に於いては、この《刷版》から解放されたいというのが大きなテーマになって来ていると思います。
皆さんがよく知っている、インクジェットプリンターの印刷には《刷版》がありません。《刷版》に当たるものは、インク噴射ヘッドです。インクジェットプリンターの場合はヘッドを使って一つひとつ描いてるという感じが印刷の実態だと思います。
一方レーザープリンターの場合は書き換え可能なドラムという感光面にレーザーで描いて、そこにインクを乗せると言った感じだと思います。
このようなオンデマンド印刷の特徴は、いわばハードディスクのようにあるいはDVD-RWのように《刷版》が書き換え可能のものとなって、使い捨てでないという事です。

しかし、この様な時代であっても、活版印刷は《刷版》無くては成立しない印刷方法です。
簡単な変更であっても《刷版》全体の変更が必要になるのが通常です。
この場合版変更代金が発生してしまいます。
そんな時は、どうぞ寛容な気持ちで受け入れて頂けたらと思います。どうぞよろしくお願いします。